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ルッジェロ・リッチが聴かせてくれるヴァイオリンの表現は、艶なまめかしく思える。ツヤツヤと照りはなく“楽器で奏でられる音符”とは言えず、美しい音ではない。音程やリズムは楽譜に書かれてあることであるというのに人が歌っているような、それは女性だったり、年寄りだったり。扉が軋む音や艀はしけの風景をヴァイオリンで模倣したような、ある意味音楽の起こりを感じさせる音色だ。